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ご挨拶
高知医科大学名誉教授 藤本重義
悪性新生物(がん)の罹患者数及び死亡者数は増加の一途を辿り、昭和56年に死因順位第一位となってからもその数を増やしている。その後、平成18年には年間死亡者数は約33万人となり、三人に一人ががんで亡くなったことになります。

一方、がんの治療は外科治療・抗がん剤治療・放射線治療の三大療法が未だにその主流であり、それぞれ発展・進歩し続けてはいるが、早期がんは根治的な外科治療などにより治癒可能となってきているものの、全体で見るとがんによる死亡者数を抑制するには至っていないのが現状であります。この原因は根治性の高い外科治療は進行例には適用にならず、多くの場合抗がん剤治療あるいは一部放射線療法が選択されていますが、白血病などの一部を除き抗がん剤や放射線療法ではがん細胞を根絶することができず、その延命効果も期待されたほどではありません。その原因は主に抗がん剤や放射線が身体に本来備わっている抵抗力/免疫力を破壊してしまうからです。
従って、手術不能の進行例や、手術後の再発例、あるいは手術後の再発予防に対する治療法としては、今までの三大療法だけでなく、本来の治癒力、中でも最も大事な癌を排除する免疫力を高める特異的免疫療法をうまく取り入れて行く事が延命効果やQOLを高め、条件が良い場合は治癒にまで至る症例も出てくる事を明らかにして来ました。

これが第四の選択肢として私が提唱するがん特異的免疫療法を主体にした集学的統合療法であります。
現在、がんの免疫療法といっても様々な免疫療法(サプリメントを使用する免疫療法〜細胞を培養する免疫療法まで)が国内では行なわれています。
私は、30数年がんに対する免疫のしくみの研究の成果から築き上げた特異的免疫細胞治療を実地してきた医師の一人として、免疫療法の受診を希望される患者様・ご家族の方へ、私の知識と経験から、患者様、ご家族の方々にアドバイスさせていただければ何よりの幸せであると考えております。何でもご相談ください。

藤本重義 プロフィール
高知医科大学名誉教授(免疫学)(昭和38年千葉大学医学部卒)

日本免疫学会評議員、日本癌学会、日本リンパ学会評議員、米国免疫学会、ニューヨーク科学アカデミー会員、日本癌病態治療研究会名誉会員、日本癌免疫外科研究会功労会員

研究テーマ
1. がん免疫に対する免疫抑制性T細胞の性状と作用機序の解明
2. 腫瘍拒絶を引き起こす免疫応答の細胞および分子機構の解析
3. がん免疫治療としての自己がん特異的免疫細胞移入療法の開発と実践

研究内容のキーワード
がん特異的抑制性T細胞(サプレッサーT細胞)の性状と活性化の分子機構、がん特異的ヘルパーT細胞の性状と活性化の分子機構、がん特異的キラーT細胞(CTL)の誘導と活性化の分子機構 、手術で採取されたがん細胞の初期培養を高率に可能にする培地の開発。癌に対する最も有効な特異的CTL療法を主体にした統合療法の確立と普及。世界で初めてCTL療法を開発。

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